破水、陣痛促進剤、無痛分娩、帝王切開?予定通りにはいかなかった私の出産エピソード

カナダで妊娠・出産

出産の話は人それぞれ。
超安産の人もいれば、超難産の人もいるわけで。

私が思うに、そこには必ず詳細のストーリーがあるのに、割とそれは感動したとか超痛かったで済まされてしまうことが多いような気がします。

子どもが産まれると子ども中心の生活になってしまい、出産時の大変さ、不安、楽しみの記憶というのは、あっという間に過ぎる時間の中で、ほんの少しずつ薄れてきているように思います。

これは自分のために、そしてこれから出産を控えていて誰かの出産エピソードに興味がある方のために書いておきたいと思いました。

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私の出産は破水で始まり、
病院で陣痛促進剤であるオキシトシンの投与
そしてもともと予定していなかった無痛分娩に途中で変更することになります。

すると今度は胎児が危ないかもということで帝王切開となり、オペ室に移動したあとに自然分娩をするという、妊娠中は「母子ともに超健康」だった私自身も病院関係者も驚く出産となりました。

麻酔科医が最後に「少しずつ色々経験できてよかったね。」と言った私の出産の話を共有したいと思います。

破水?おしるし?朝4時に目を覚ます

前日の夜、初めて初乳を絞り出してみました。人によっては臨月を過ぎてから初乳を搾り出し、小さな注射器に入れて冷凍した状態で病院に持って行く人もいます。

詳しくはAntenatal Hand Expressionで検索してみてください。

私の場合は、

Rin
Rin

母乳本当に出るんかいな(; ・`д・´)

という好奇心で妊娠37週目に入ってからシャワーを浴びるときにほんの少しだけ絞ってみたこともありましたが、破水が来る前日の夜は初めて本格的に搾り出して容器に入れてみたわけです。

するとその次の日の朝4時頃、何か水っぽいものが出たような感じがして目を覚まし確認すると、パンツにほんの点くらいの染みが。

トイレに行って陰部を拭いてみると、水っぽい薄いピンク色がティッシュに確認できました。

「これがおしるしなのだろうか、もう少し様子を見てみよう。」と思いベッドに戻るも眠れず。以前こちらの記事で紹介した本(What to Expect When You’re Expecting)を読み返しました。

正確にいつかは覚えていませんが、時間が経つにつれ透明の水っぽいものも出てきました。ただ、パッドをしているとどれくらいの量が出ているのかがわからず。

薄ピンク色がまったくないのにパッドが結構濡れている状態になったのが朝10時頃でした。

夫に「はっきりとはわからないけど破水しているような気がする。どうしようかな。病院行くべきかなあ。」とメールしたところ、お昼前には会社から家に戻ってきてくれました。

病院へ 受け入れまで

この日昼過ぎにちょっとした用事があって家にいないといけなくて、それが終わってから病院に行きました。午後3時過ぎていたと思います。

診察室に案内され、まず出てきている液体が羊水かどうかの確認から始まりました。パッドについた透明のものを看護師さんが綿棒のようなもので取り、反応を見ます。

羊水でした。

一番驚いていたのは看護師さんのようでした。そうじゃないことが多いのかもしれません。

それからベッドに横になり、胎児の心拍数の確認。モニターがおなかの周りに取り付けられ、そのまま個人情報の確認と問診。

その後見習いドクターがやってきて、「あなたを病院に受け入れます(You’re admitted)。」と言われました。

破水しているのが一番の理由でした。陣痛もまだまだ軽い感じだったので、破水していなかったら受け入れられていなかったはずです。

ただ破水しているにもかかわらず、陣痛がまだほとんど始まっていないので、陣痛促進剤を投与するということでした。

Rin
Rin

このとき20分おきにキューっとなる感じはありましたが、先生に「そんなんじゃまだまだ。本格的に来てたら話せてないよ。」と言われました。

そのあとドクターもやってきて、そのまま簡易のベッドサイドエコー検査。

そしてナースから渡されたガウンに着替え、夕飯を食べてくるように言われました。

病院の一階にある売店で食事し、いよいよ陣痛促進剤投与開始です。

陣痛促進剤(オキシトシン)投与開始

ご飯を食べて受付に戻ると手首に二つ目のバンドが巻かれ、個室に案内されました。

私が出産した病院は、出産前から出産後退院するまでずっと個室を提供してくれる病院で、部屋の中にトイレ、シャワー、付添人用のベッドまで完備されていました。

ナースはとてもいい人で、この時「こんなに明るくて優しいナースがいるならドゥーラ必要なかったかも。」と内心思いました。

ドゥーラの話はこちらから↓

産前産後出産立ち合いまで!ドゥーラのサポート内容と実際に利用した感想
利用する予定はなくても、いざという時のために知っててほしいドゥーラの存在。実際に利用した産前産後ドゥーラのサービス内容と感想をまとめています。

陣痛中は体力を使うのでちょっと食べられるようにスナックを持って行きましたが、帝王切開になる可能性もなくはないので点滴を始めたらスナックは禁止、ということでした。

6時半くらいにIV(点滴)投与が開始され、その30分後にオキシトシンの投与が始まりました。ナースによると、30分毎にオキシトシンの量を上げていくとのこと。

どれくらい経ってからかは覚えていませんが、割とすぐに陣痛が強くなり始めました。

陣痛に対して行ったこと

陣痛に耐える姿勢

陣痛に耐える姿勢は人それぞれですが、私は座っているのが一番しっくりきました。

ベッドの背もたれと足の部分を動かしてベンチのような形を作り、体育座りに近い状態や、お姉さん座りと呼ばれる座り方で座っていました。とにかく立つよりも座っている方がよかったです。

途中からは病院が貸し出してくれるバランスボールに座り、陣痛が来る度にとにかく大きな深呼吸をして乗り切っていました

Rin
Rin

前日朝4時に起きたこともあって、陣痛の合間に眠ってバランスボールから落っこちそうになることも。夫が支えてくれていました。

一番つらかったのは、破水しているので定期的に立ち上がってトイレに行ってパッドを替えないといけないということ。

陣痛が収まったときに隙をみて行ってもどうしてもトイレ内で陣痛が来てしまうのが本当につらかったです。

シャワーを浴びるといいらしい

事前にシャワーを浴びると痛みがやわらぐと聞いていたので試してみたかったけれど、無理でした。

立つのでさえつらいのに、シャワーなんか浴びられないです。

Laughing Gasという鎮痛剤を試みる

出産準備のクラスで学んだLaughing Gasも使用してみました。ガスボンベから繋がれたマスクで鼻と口を覆い、吸い込みます。

好きな人は好きで、嫌いな人は嫌いと、割と好みが分かれるらしいのですが…

私の場合、マスクから新しいゴムのような匂いだけしか感じられず、しかもマスクをしていると痛みが来た時に大きく深呼吸すると苦しくて呼吸困難になりそうで、数回使用しただけで無理‼( ゚Д゚)となりました。

避けたかった無痛分娩に切り替える

無痛分娩にするかどうかは妊娠中ずっと迷っていたのですが、副作用の中に「かゆみが出ることもある」ことを知り、無痛分娩は「できたら避けたいけど様子見で」とナースに伝えていました。

なぜかゆみを恐れているかって?その理由は妊娠中にひどいかゆみに襲われたからです。↓↓

かゆすぎる!妊娠中のかゆみ対策 私が試して効果があったもの
カナダで妊娠して21週目から23週目にひどいかゆみに見舞われました。かゆみに対し試してみて効果があったもの・なかったものをまとめています。

結果的に無痛分娩を選択した理由

そんな私が陣痛中に無痛分娩を選択.した理由は、

Rin
Rin

眠たすぎる。絶対体力がもたない。

でした。

すでに耐えがたい痛みになって4時間は経過していたのに、子宮口をチェックしてもらうとまだ半分しか開いていません。

痛みもつらかったのですが、眠気の方が限界。陣痛の合間の短時間に熟睡できちゃうほどですから。これからまだ続く陣痛の痛みに耐えてさらにその後に力むなんて…体力がもたないと判断しました。

Rin
Rin

ナースが教えてくれましたが、陣痛促進剤を使うと陣痛の痛みが普通よりも強くなるらしいです。自分の体のタイミングではなく無理やり陣痛起こしてるわけなので納得。

無痛分娩の麻酔投与

ナースに無痛分娩をお願いしたところ、15分くらい経ったのちに麻酔科医のドクターGがやってきました。クールなおっちゃんです。

陣痛の痛みと睡魔で意識が飛ぶ中、彼は言いました。

「この麻酔は必ずやらなきゃいけないことじゃないし、リスクもあるからね。わかってるね?」と。

麻酔投与が行われると数分後には効き目が表れ始め、その後1時間ほど眠ることができました。

※無痛分娩の体験談は後日別記事にまとめます。⇒まとめました!↓↓

痛みは?デメリットは?無痛に切り替えて胎児の心拍低下…私の無痛分娩体験談
私が無痛分娩に切り替えた理由、陣痛が来ている状態での麻酔投入の様子、胎児に現れた変化、無痛での力み方など無痛分娩の体験談をまとめています。

胎児の心拍の低下の仕方に少し異常が

無痛分娩の麻酔を入れると胎児の心拍が短時間低下することはあるそうですが、私の場合は陣痛直後の胎児の心拍が下がりすぎる状態となりました。

夫曰く、モニターの心拍数が低下してなかなか戻ってこないのを見ていてかなりハラハラしたそうです。

ナースが心配になりドクターに相談に行くとドクターがやってきて、

「私も外でモニター見てるけど、もう少し様子見て、よくならなかったら帝王切開になるから。」

と言いました。

胎児の命が最優先でしたが、私も無痛になり気が緩んだのか正直「帝王切開はできたら避けたい!」と一番に思ってしまいます。

その後正確なデータが必要なため、膣を通して胎児の頭に直接モニターが取り付けられした。

そしてどれくらい経ったかわかりませんが、ドクターが戻ってきました。

帝王切開の同意書を持って。

帝王切開 同意書へのサイン

どうして帝王切開になるか、先に一度ドクターが説明してくれたものの、再度丁寧に説明されました。

理由をまとめると、

心拍の低下も心配だが破水から24時間経っているため感染症の心配もあり、早めに胎児を取り出す必要がある。普通初産では分娩に2時間近くかかるため、これ以上長くなるのは危険、ということでした。

最後に「何か質問はある?」と聞かれ、

本当に帝王切開じゃないといけないのですか、と聞く私(;´∀`)

もう一度丁寧に説明してくれて、私も胎児のことを思えばそれが一番いいんだな、と理解し、帝王切開の同意書にサインしました。

Rin
Rin

それでもやっぱりすぐには信じられませんでした。まさか自分が帝王切開になるなんて!

いよいよ手術室へ

このとき他に帝王切開の方がいたらしく、そのため部屋で1時間ほど待ったのち手術室へ移動となりました。

結局は赤ちゃんが無事に産まれてくることが一番です。待っている間に心の準備も整いました。

移動用のストレッチャーに横移動し、手術室へと運ばれます。夫は看護師さんにある場所で待つように言われたので、途中で別れ、一人運ばれました。

Rin
Rin

手術室に初めて入るワクワク感30%、腹が切られるという緊張感40%、もうすぐ子供に会えるという信じられない感100%。あれ?計算が合わないぞw それくらい色んな思いがごちゃごちゃしていました。

運ばれて手術台へ移動するとすぐに色んなものが体に取り付けられました。手際がよすぎです。さすがプロ集団ですね。

帝王切開を拒んだのもあってか、ドクターが「じゃあ一応もう一回子宮口確認するからね。」と言い確認してくれました。すると、なんと十分に開いてるとのこと。

「一回プッシュしてみようか!」となり、看護師さんたちの合図で力むと、それがドクターの予想を遥かに超えてよかったらしく、「これならいけるかも!」となり、続行することになりました。

経腟分娩へ変更

看護師さんたちが「旦那さんは!?部屋のドゥーラも呼んで!」と言っているのをなんとなく遠くに聞きながら、力みます。

気づいたらまず夫が隣に。

「合図を受けたらすぐに大きく息を吸い、10秒吐き続けて!」
「う〇こするみたいな感じね!」

これが看護師さんたちが教えてくれたアドバイス。
なぜか隣にいる夫の10秒カウントがナース達よりもかなりゆっくりだったけど、なんとかそれに合わせて力みました。

途中胎児への酸素不足が心配され、麻酔科医のドクターGが酸素の管を私の鼻のところに取り付けます。

婦人科医のドクターが、

「あと2回力んで進展が見られなかったらForcep使うから!いいね?」と叫びます。

つまり、鉗子分娩です。器具も用意されていました。

これまで自分の手で太もも部分を抑えた状態で力んでいたのですが、本格的に自然分娩へと変更になったので、手術台に足を置く場所が設置されました。

そしてその2回の力みがまたドクターの予想以上によかったようで、鉗子分娩はキャンセル。

私はどれだけ力むのがうまいんだ。笑

Rin
Rin

入れた力は分散させずにすべて膣に当てる感じで力むとよいです。妊娠中からケーゲル体操を行うのもいいかもしれません。とアドバイスでもしてみる(笑)

いよいよ赤ちゃん誕生の時

力むのがうまいのにも限界がありました。

ドクターが「右側が少し硬いんだよなあ。会陰切開するよ。いいね?」と。

担当ナースが横から「会陰切開、大丈夫?」と優しく聞いてくれましたが、帝王切開に比べたら、もうなんでもありでした。

この時ドクターが夫に「カメラ準備して!」と言ったそうで。

ドクターが少し切るとすぐに赤ちゃんが出てきました。ヌルっと。

ぎゃー」という泣き声を上げたのは数秒後だったと思います。

これが産声かあ。。。

顔をぎゅーっとしわくちゃにさせて、必死に泣いています。
出てきた赤ちゃんはそのまま私の胸の上へ。


小さな命。

人生の始まりの瞬間。

さっきまで38週間と数日を共にした胎児が今胸の上にいるわけです。

愛おしいとはこういうことか。

安堵と喜びで涙が止まりませんでした。

へその緒は夫が切り、そのまま胎盤の取り出し、そして会陰切開の縫合へ。


結果的に2時間かかると予想された分娩も胎盤の取り出しまで含めて30分ちょいで終わりました。

ちなみに陣痛促進剤投与開始が前日6時半。出産が翌日朝6時半頃だったので、全体だと約12時間かかりました。

まとめ

というわけで、私の初産の話、その「感動の瞬間」までをまとめました。

麻酔科医が最後に「色々と少しずつ経験できた出産だったね~。」と言ったように、本当に少しずつ経験できた出産となりました。

出産後数週間は、赤ちゃんが出てきたときの感動と病院で関わってくれた全ての方々に対する感謝の気持ちで胸いっぱいになり、思い出すたびに涙を流すほど。

それくらい、自分の人生で大事な一日となりました。

長々となりましたが、「感動した」や「超痛かった」だけでは語れない詳細の部分を語らせていただきました。確かにこんなに長ければどこまで話していいかわからず、一言に凝縮しちゃうのもわかりますよね。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

赤ちゃんの手の写真
生後6日の息子の手。

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