カナダ 救急じゃないのに救急外来に行くか行かないかで葛藤の末に行った話

カナダ生活

今回の話は、カナダで救急じゃないのに救急外来を受診した話です。

賛否両論あると思いますが、以前書いた過去記事に繋がる部分があるので、書いておこうと思います。

この記事では

  • 救急外来に行くことを決めた経緯
  • 救急じゃないのに…という葛藤
  • 救急外来待合室のようす

など書いていきますので、興味がある方はどうぞお付き合いください。

ちなみにアルバータ州の救急外来、2025年1月の話です。

カナダで救急外来に行くまでの経緯

胸の痛みが続いたので自分が行っているクリニックで心電図を取ってもらった私。

ファミリードクターから「問題ないように見えるけど一応循環器専門医に確認してもらいたいから」と返事待ちとなりました。

待つ期間の目安を聞いても「返答来たらすぐ連絡するから。」の一点張りで、待ち時間の検討がつきません。

待つ間も度々出てくる症状。

そして根拠のない憶測だけが頭の中でぐるぐる巡ります。

”心電図検査前にあれだけ「心臓の病気のリスク因子がないから心臓はないだろう」と言われたのに、なぜ循環器専門医に確認を?”

”「私には問題なく見える」と言われたけど、本当にただそれを確証したいから?”

”プライベートヘルスケアクリニックだからここまでやるよってこと?”

考えすぎて自分がやるべきことに集中できません。

また、出てくる症状も、本物なのかただの思い込みなのかわからず、気が滅入る日々が続きました

これが過去記事で書いたカナダ医療の不安の部分ですね。待ち時間があるので不安に陥るわけです。

カナダ在住10年目の私がカナダの医療機関に対する不安や思いを述べてみる
普段のクリニック受診、そして入院の経験から、現在の私のカナダの医療に対する印象や、不安、思いをまとめました。特にカナダ永住を考えている方・永住を決めた方に読んでほしい内容です。

そして数日経ち、救急に行ってみようかという思いが生まれます。

なぜなら救急に行けば、たとえ何時間かかってもいずれ結果がわかるからです。ファミリードクターの言う「いつになるかわからない」よりは早いわけです。

もちろん慢性の腰痛なんかで救急には行きません。でも今回は胸痛。胸には心臓があります。症状は出ているので行っても許されるかな、と思ったわけです。

が、もちろん、行くまでにたくさんの葛藤がありました。

”死にそうではないけど行っていいのか”

”私が行くことで救急外来受診者が一人増えるのはよくないよね”

”ファミリードクターを信じて待つべきではないか”

”でも気になりすぎて何もできないのもよくない”

”待つだけで病んでしまう”

”何かしらの症状は続いている”

”症状が出るたびに不安になる”

”問題があったとしてもなかったとしても早く知りたい”

”いろいろ考えちゃうけど行って後悔することは絶対ない”

最後の最後の決め手は、ネット上の英語版質問スレッドで「循環器専門医の紹介はどれくらいかかるか」の答えに、2-4週間後、予約は数ヶ月後になるだろうというのを見かけたこと。

一年前のものだし違う州の質問ではあったものの、自分の中でどちらにしろ時間がかかりそうだという結論に達し、この不安のまま数ヶ月は待てんぞと思ったわけです。

そして「救急外来に行くか行かないか」でこれ以上悩むのは時間の無駄だと思い、思い切って行くことにしました。

待ち時間が少ない朝の時間を狙い、息子を学校に送ったあとにウーバーを利用して行ったわけです。

検査結果

病院では、

  • 心電図
  • 血液検査
  • 胸部レントゲン
  • Dダイマーという血栓症がないかを調べる血液検査

が行われ、

「心臓と肺には生死に関わるような異常は今のところないよ、可能性があるとするならchest wall(胸壁)の痛みでしょう。」

という結果をもらい、ウーバーで帰宅。

午前10時半につき、午後4時半過ぎに終わりました。

結果を聞いて心のもやもやがスッキリ。

”もしかしたら心臓に異常があるんじゃ…”

”近々心臓発作起こしたりして…”

”いつまで待てばいいんだろう…”

”救急に行くべきだろうか…”

という不安や悩みが消えたわけです。

痛みは不安からきていたのでしょう。その後も数日間は胸の痛みを感じたものの、やがて頻度は少なくなりました。

Rin
Rin

ちなみに、血液検査をしたあとに待合室でアスピリンを飲むように渡されました。服用後、心臓がバクバクする感じがしました。血液がサラサラになって流れやすくなったんだと素人は勝手に思ってます。

救急外来のあり方とは

アルバータヘルスのこちらのウェブサイトには

重病または重症だと思われる場合に911または救急に行きましょうと書いてあります。

確かにそうだと思います。

Urgent care centre (生死には関わらないけどすぐ診てほしい時に行く場所)でどこまでやってくれるのかはわかりませんが、今回はemergencyではなくurgent care centreに行くべきだったかもしれません。

でも不安に駆られて日々を過ごすのは不健康です。そしてその悩みを即座に解決してくれるのが、カナダの医療システム上、救急となってしまうのかもしれません。

私は腰痛だとか、リンパが腫れたとか、乳房が痛むとかで救急には行きません。前回の入院時のように、本来なら「死ぬかも」となるまで行かないです。

なので今回すごく申し訳ない気持ちで受診しました

でも実際のところ待合室は、予想とは反して比較的平和だったんですよね。

続きで詳しく書きますね。

待合室のようす

救急の待合室って聞くと、私の勝手なイメージだと、唸っている人がいたり、ぐったりしている人がいたり、血を流している人がいたり、吐いている人がいたり、トイレに何度も行かないといけない人がいたりするイメージです。

前回救急外来を訪れたときは、体調がとても悪く周りを見渡す余裕もほぼありませんでしたが、夜中ということもありつらそうな人が多かったと思います。

今回昼間の救急の待合室にいて、正直、救急にいるような感覚ではなく、どちらかと言えばウォークインクリニックのような感覚でした。

日本でクリニックで専門医を受診するような感覚、でしょうか。

ずっとスマホ触ってたり、軽食食べてたり、本を読んでる人もいて、「本当に救急の待合室?」と疑ってしまう一面も。

深刻ではない風邪の症状っぽいものだけでいらっしゃっていた患者さんもいました。

平日の昼間。普通ならクリニックが開いてますが、もしかしたらすぐ予約が取れずに、救急行くなら金曜のうちに、とやってきた方たちだったのかもしれません。

私の勝手なイメージだと、救急にいて、検査のために普通に歩けちゃうっていうのがまずおかしい気がします。

人は見た目ではどんな病気があるか分からないので強くは言えませんけどね。

もしかしたら私のように、胸痛で不安、みたいな方もちらほらいたんじゃないかなと思います。

来た者勝ち、なのかなぁ

そういった待合室を見ていると、カナダの救急外来は来た者勝ち、に見えてしまいます。

迷ったら行ってみてもし「救急じゃないですね」と断られれば、そこで諦めたらいいのかな、と。

「行っていいかな、どうしよう」と迷う人より、「行ったら断られた〜。私大丈夫みたい。」というマインドを持ってる人が得をし、自分を早くに救える人であるのかもしれない、と思ってしまいます。

少しモヤモヤしますが、これが私が感じたことです。

最後に

というわけで救急ではないけど救急外来に行った話でした。

救急ではないのに救急外来に行ったことに対しては賛否両論あるかと思います。

私自身、行くべきではなかったのかも、と少し後ろめたさがありつつこの記事を書きました。

でも私の心はスッキリし、立ち止まった状態からまた将来を見て動けるようになったのも事実で、正直行ってよかったとも思ってます。

ひとつハッキリ言えるのは、行って後悔はしないということでしょう。誰に何を思われようと、行って受け入れられれば検査をしてもらえるし、緊急性がなければ断られるかもしれませんがそれでも行って後悔はないでしょう。

それはどんなときも。

特に症状が明らかにひどいときは迷う前に行ってよいところです。

ではでは。

***

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