初めての妊娠。
妊娠がわかった瞬間は嬉しさでいっぱいだと思いますがふと「今後どんなふうに健診を受けて、どんな検査を受けるんだろう?」と考える瞬間がくることでしょう。
ここでは、カナダで妊娠したらどのように健診を受けていくことになるのか、どんな検査をどの時期に行うかをまとめました。
地域、かかりつけ医、健康かどうか、などによって違いがあるかと思いますので「大まかな」流れとして捉えていただけたらと思います。
妊娠期間 Trimestersについて
日本での妊娠期間は、初期、中期、後期と分けられるようですが、カナダでの妊娠はTrimesterという言葉を使い期間を3つに分けます。
分け方の種類が3つほどあるようですが、一番主流なのは
1st Trimester 1週目~ 13週目
2nd Trimester 14週目~ 26週目
3rd Trimester 27週目~ 40週目
とされています。
ちなみにtrimesterってラテン語のtri(three)+mensis(months)から来ているそうで、約3ヶ月ごとに分けられてますよね
参照:Defining the trimesters of pregnancy
妊婦定期健診の頻度
妊婦定期健診は場所によって違うこともありますが、健康な妊婦の場合は、
28週目まで 4週間に1回
36週目まで 2週間に1回
それ以降 1週間に1回
が一般的のようです。
定期健診の場所
定期健診を受ける場所は人それぞれ違います。
ファミリードクターが行うところもあれば、妊婦健診に特化したクリニック、大きな病院であったり、助産師さん(midwife)を探す人もいます。
そしてファミリードクターの場合は最後の数週間だけ産婦人科医に診てもらうことになることも。
私の場合はファミリードクターがおらず、同じクリニックに週一で来ている産婦人科医もその時緊急で国に帰ってしまい、妊婦健診に特化したクリニックを自分で探しました。
妊娠後期にエドモントンから引っ越すことになり、妊娠27週目からは夫のボスの娘の友人の産婦人科医が務めるカルガリーの大きな病院で診てもらい、出産もその病院でしました。
人それぞれなので、ドクターや助産師さんなど自分が診てもらうことになる方に出産までの流れをきちんと確認しましょう。
ファミリードクター、Obstetrician、Midwife の違い
前項でファミリードクターやMidwifeという言葉が出てきましたが、日本じゃ産婦人科に行くのが割と一般的だし、「え?何それ?」と思いますよね。なので調べてみました。
カナダでの妊婦定期健診は主に
ファミリードクター
Obstetrician(産科医)
Midwife(助産師)
によって行われます。
で、その違いは何?と思うことでしょう。
一番大きな違いは、出産する場所の選択肢の違い、のようです。
Midwifeの場合のみ、病院、自宅、またはBirth centre(病院よりラフな場所)での選択が可能。それ以外だと病院での出産となります。
また、Midwifeの方が毎回の健診時間も30-60分と長く、精神的に距離が近くなりそうです。そして妊娠中に信頼関係を築いた方が出産時もいるわけですから、安心です。
私の場合は妊娠後期にカルガリーに引っ越してからは先に述べた通り夫のボスの~のドクターに基本診てもらっていましたが、出産は同じ病院でも別の棟で、全然知らないドクターに赤子を取り上げてもらいました。
詳しくは下記リンク先記事を読んでみてください。
参照:Canada: Obstetrician, Family Physician Or Midwife? Which Is Right For Me?
参照:Orillia Midwives Common Questions about Midwives
どれが一番いいの?
どれがいいかはあなた次第。でも低リスクの健康な妊婦であれば選択肢も増えますが、高リスクとされる場合は大体Obstetricianに診てもらうことになるでしょう。
もしあなたにファミリードクターがいて、そのファミリードクターが妊婦定期健診もされる方でかつあなたが健康な妊婦、そしてそれを希望するならば出産が近づくまで診てもらえるでしょう
低リスクでも希望する場合、または高リスク妊婦の場合はObstetrician(産科医)を紹介してもらえるはずです。Midwifeについてはドクターからの紹介なしに自分で探すことができます。州の保険でカバーされるか最初に確認しましょう。
誰を選んでも必要な検査は受けさせてもらえますのでご安心を。
定期健診で行われること
初診時には問診が行われます。病歴や家族歴を答えられるようにしましょう。
その他、早いうちにPhysical exam(身体検査)やPap smear(子宮頸がんテスト)も行われるでしょう。
大体毎回行われるのは
- 体重と血圧チェック
- 子宮底長チェック
- 胎児の心拍チェック
- 次回の健診までに受ける検査の説明(あれば)
- 質問に答えてもらう
です。
私の経験談ですが、なんと内診は妊娠期間中を通してPap smearを受けた時一回だけでした。しかも内診というより検査のために見られたという感じだったので、それはカウントするべきなのか。
妊娠糖尿病などの問題もなく割と健康体だったからだと思いますが、そんなもんなんだーとビックリ。
数回しか受けないエコー検査
日本では毎回受けるところもあるようですが、カナダでは健康な妊婦だとエコー検査(Ultrasound)は数回しか受けません。
日本の厚生労働省が出している資料では合計4回ですけどね。
11-14週目に出産予定日を算出するのに1回と、18-22週目に胎盤の位置の確認やアブノーマリティがないかの確認、
36週目にはbedside ultrasoundと呼ばれる簡易的な超音波検査が行われます。これは胎児の向きの確認です。ラボに行くことなくクリニック内で行われます。
その他、出生前診断を希望すると11-13週目にも受けることとなるでしょう(出産予定日算出と一緒に行われるかも)。
一番少なくて各Trimesterで一回ずつ、合計3回という感じですね。
ただ、この他にも胎児が大きすぎたり小さすぎたり、妊婦が転んだ時などは受けることになります。
毎回行われる胎児の心拍確認方法
エコー検査が少ないカナダ。じゃあ胎児のようすはどのように確認するの?と思われるかもしれません。
エコー検査の代わりにDoppler Ultrasoundと呼ばれるデバイスで胎児の心拍数を確認します。これは、スティックとスピーカーのようなものがコードで繋がれているようなデバイスで、ジェルを塗ったお腹にスティック側を当てるとスピーカーから胎児の心拍が聞こえます。
これが毎回の健診で使われるわけです。
初回血液検査と尿検査
初診では次回までに血液検査と尿検査を受けておくように言われるでしょう。Baby Centerによるとそこで見られるのは
血液検査:
- ABO血液型とRh因子
- 貧血(Anemia)がないか(ヘモグロビン、ヘマトクリット値)
- 風疹(Rubella)の免疫
- B型肝炎(Hepatitis B)
- クラミジア(Chlamydia)、淋病(Gonorrhea)、梅毒(Syphilis)、HIVなど
尿検査:
- 尿路感染症(Urinary tract infection)の兆候
- 妊娠糖尿病(Gestational diabetes)の兆候
- 子癇前症(Pre-eclampsia)の兆候 など
ということです。
妊娠糖尿病検査
妊娠24-28週目には妊娠糖尿病検査、Gestational Diabetes Screen(GDS)を受けることになります。
詳細・体験談はこちら
dTapワクチン接種
アルバータ州では27-32週目に行われます。胎児が生まれてから2ヶ月予防接種までの間に、特に百日咳を予防するために受けます。
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NIPT (ハーモニーテスト)(新型出生前診断-有料)
NIPTとはNon-Invasive Prenatal Testのことで、妊婦の血液内にある胎児のDNAからダウン症、13トリソミー、18トリソミーがわかります。検出率が99%と高く、妊娠10週目から受けられ、胎児の性別もわかります。
詳細・体験談はこちら
妊娠から出産までのスケジュール
それでは、上記に挙げたものを時系列で見てみましょう。健康な妊婦の健診・検査スケジュールはざっとこんな感じです。
1st Trimester 1週目~13週目
定期健診4週に一度 | |
5-12週の間 | 初診、血液検査・尿検査、子宮頸がん検査(前回行われた時期による) |
11-14週の間 | 超音波検査 (出産予定日の算出) |
11-13週の間 | 超音波検査と血液検査(出生前診断・望む場合のみ・無料)※上と同時かも |
10週目~ | NIPT検査(血液検査・望む場合のみ・有料)が可能 |
2nd Trimester 14週目-26週目
定期健診4週に一度 | |
18-22週の間 | 超音波検査(胎盤の位置確認等) |
24-28週の間 | 妊娠糖尿病検査(グルコースドリンク・血液検査) |
3rd Trimester 27週目-40週目
27-32週の間 | dTapワクチン接種 |
29週目から定期健診が2週間に一度に | |
36週目 | GBS(B群溶血性連鎖球菌)検査 |
36週目 | 簡易超音波検査(胎児の位置確認) |
37週目以降定期健診が週一度に | |
38週目 | 予定日を過ぎた場合の説明が行われる |
40週目 | Membrane Sweep(卵膜剥離)が行われるかも |
41週目 | 卵膜剥離または陣痛誘発剤が使用されるかも |
インフルエンザの時期にはインフルエンザ予防接種(Flu shot)を受けることを推奨されます。
※ウェブサイトなど、資料によって若干差があるので大体で捉えてください。pregnancyinfo.ca のroutine testsやクリニックでもらった資料、Baby centerの情報を参考にしています。
最後に ‐こちらもチェック!
というわけでカナダでの妊娠の健診や検査についてざっくりとまとめました。
あくまでも健康な場合ですが、なんとなくわかってもらえましたでしょうか。担当ドクターや助産師さんが決まったら、最初に今後の流れを確認してくださいね。
その他、カナダでの妊娠については経験談を交えながらまとめてますのでよかったらご覧ください。汗水流しながらできる限り分かりやすく詳しく書いたつもりです。
妊娠検査から出産までの記事一覧ページはこちらから。
出産準備記事一覧ページはこちらから。
それでは。
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