作成してよかった!出産の全体像が見えてくる、二者択一で決めていくバースプラン

カナダで妊娠・出産

Birth Doula(産前ドゥーラ/出産立ち合いドゥーラ)を利用して、一回目のミーティングで行ったのがバースプランの作成。

ドゥーラについてはこちら↓の記事でまとめています。

産前産後出産立ち合いまで!ドゥーラのサポート内容と実際に利用した感想
利用する予定はなくても、いざという時のために知っててほしいドゥーラの存在。実際に利用した産前産後ドゥーラのサービス内容と感想をまとめています。

バースプランとは出産に対しての自分の希望を明らかにするもので、作成が必須かというとそうではありません。

私も最初は

Rin
Rin

バースプラン?無事産まれるならなんだっていいんだけどな~。

と思っていたのですが、一通り見てみると

自分が出産で何を望んでいるのかを整理でき出産の過程でどのようなことが起こりえるのかも学ぶことができたので、

今振り返ってみて、作成できて(取り組むことができて)よかったと心から思っています。

なので今後出産を控えている方々に共有したく、私がバースプランを作成するにあたって出てきた選択肢に解説を交えてまとめることにしました。

もし今、

  • バースプランを作りたいけどどんなことを書けばいいか悩んでいる
  • 陣痛から出産後までどういうことが起こりえる(どういう選択肢が出てくる)のか知りたい
  • なんとなく気になる

という方は是非読み進めてみてほしいです。

読み進めるにあたって、それぞれ自分自身はどちらを希望するかメモしながら読むと自分の大体のバースプランが見えてくるでしょう。

Rin
Rin

ちなみに私は作成しましたが基本的に強く希望するものはなかったので、医療的な選択はドクターにお任せすることにし、バースプランもドゥーラとしか共有していません。

バースプランとは

Birth plan(出産プラン)またはどちらかというとプランというより希望なのでBirth Preferenceと呼ばれることも多く、陣痛から出産後までの希望を書き出したものです。パートナーやドゥーラ、出産する病院に提出します。

もちろん出産は何が起こるか予測できないものです。あくまでも希望であって、実際には全く予定通りにはいかないことも多々あります。

バースプランの内容

バースプランの内容は人によってさまざま。強く希望するものだけを書く人もいれば、割と細かく書く人もいます。

ここではひとつの例として、私のプランを元に紹介していきたいと思います。

私のバースプラン一覧はこちら。

私のバースプラン

各カードの表と裏に文字が書いてあり、表か裏かのどちらか一つを選択していくという形式です。

例えば、表に「無痛分娩を希望」、裏に「無痛分娩を希望しない」と書いてあり、片面だけを選んでいきます。

先にも述べた通りBirth Doula(出産立ち合いドゥーラ)と決めたもので、病院には提出はしていません。

その状況に直面したときに私から希望を言えなければ、(伝えられる状況であれば)ドゥーラからドクターやナースに伝えますということでした。

答え次第でバースプランが大幅に変わる質問

バースプランには、答え次第でそのあとの選択がなくなる質問があるのでそこから考えてみましょう。

Epidural or No epidural
無痛分娩にするかしないか

例えばカナダでは当たり前のように選択できる無痛分娩。無痛分娩にすると陣痛中に他の痛み止めの使用は考えないでしょうし、陣痛中も動き回ることなくベッドに横たわります。尿道カテーテルは嫌でも通されますし外部モニターも必要な時だけではなくずっと装着。いきむときも自分のタイミングではわからないのでスタッフの指示に従います。

Rin
Rin

ちなみにカナダでは無痛分娩は最初は希望していなくても状況に応じて変更することができます*。ただその時麻酔科医が多忙であれば伝えてから長時間待つこともあるので早めに伝えないといけません。あまり遅くなり子宮口が開ききると断られるようです。

*無痛分娩に途中で変更できるかは念のため病院に確認するとよいでしょう。

Vaginal birth or Caesarean section
経腟分娩か帝王切開か

こちらの選択肢についても答え次第で残りの選択肢が限られてきます。たとえば帝王切開だと次に挙げる「陣痛~分娩に関する希望」はほぼ選択肢がなくなるでしょう。

計画的な帝王切開もあれば、急遽帝王切開に変更になることもありますね。

陣痛時から出産までの希望

Managing early labour at home or go to the hospital
陣痛の初期段階を家で過ごすか病院で過ごすか

出産までは3つのステージがあり、それぞれ

  • 1st stage(陣痛)
  • 2nd stage(分娩)
  • 3rd stage(胎盤の摘出)

さらに1st stageは3つのフレーズに分けられます。

  • Phase 1: Early labour(20-25分間隔で30-45秒の痛みが続く)
  • Phase 2: Active labour(2-3分間隔で45-75秒の痛みが続く)
  • Phase 3: Transition(1-2分間隔で60-90秒の痛みが続く)

もちろん3になるほどフレーズの時間は短く強い痛みとなります。普通はEarly labourでは病院が受け入れてくれません。病院へ行くのは5‐1‐1(陣痛が5分間隔で1分間続くというのが1時間続いたとき)とよく言われます。

なので普通は初期段階のEarly labourは家で過ごしますが、病院は病室への受け入れを拒否されるだけで、病院内で過ごすのはアリです。

Move around during labour or stay on bed
陣痛の際自由に動き回りたいか、ベッドに寝ておきたいか

陣痛に耐える間、Birth ball(バランスボール)に座ったり、立って歩き回ったり、パートナーに寄りかかったりと動き回りたいかどうか、です。無痛分娩の場合は寝ておかないといけません。

★Do you want to use shower / Bath?
陣痛に耐える間、シャワーやお風呂に入りたいか、です。病院によってはバスタブがないところもあります。多くの人がシャワーやお風呂に入ると痛みが和らぐというらしいです。私は浴びたかったのですが、痛みで動けず断念しました。

★Narcotics or No narcotics
痛み止めの麻薬を使用するかどうか、です。吐き気や眠気を引き起こすことがあり、新生児の呼吸や授乳にも影響が出る可能性があります。

★Nitrous gas or No nitrous gas
別名Laughing gasとも呼ばれるガスを使うかどうか

ガスボンベから繋がれたマスクで鼻と口を覆い吸うと、吸っている間だけ気分がよくなり痛みを忘れることができる人もいるそうです。母体にも胎児にも長時間に渡っての影響がありません。好みがはっきり分かれるらしく、私も試してみましたが効き目が全然得られずに5分も続きませんでした。

★Intermittent fetal monitoring or continued fetal monitoring
胎児モニターをずっとつけているかナースが必要と言う時だけつけるか

胎児の状態が気になる人はずっとつけていることも希望できるようです。無痛分娩を使った場合はずっとつけていないといけません。私はオキシトシンという陣痛促進剤を入れていたのでつけていないといけませんでした。

★External fetal monitoring or Internal fetal monitoring
体外モニターか体内モニターか

胎児モニターは母体のお腹につける体外モニターと、膣を通して胎児の頭につける体内モニターがあります。胎児の頭につける方が正確です。私の場合は胎児の状態が心配されたときにつけられました。一応つけていいかの確認されますが、いざといったときには「はい」と言うしかないかと。

★Pushing in doctor’s preferred position or your preferred position
いきむときの体勢について、医師の指示に従うか自分の好みの体勢が良いか

一応希望は言えますが、いざとなったらプロの指示に従うのがいいかと思います。無痛分娩ではもちろんベッドに寝た状態です。体勢については色々あるのでLabour positionなどで検索してみてください。

★Pushing with own urges or as directed by doctor
自分のタイミングでいきむか、医師やナースの指示に従うか

こちらも一応希望は言えます。無痛分娩だと陣痛のタイミングがわからないのでモニターを見ながら出される指示に従うことになります。

★Is it ok to use vacuum or forceps?
吸引分娩、鉗子分娩となってもよいか

吸盤のようなものを頭につけて引っ張り出す吸引分娩やスプーンのような形がついたもので挟み出す鉗子分娩があり、どちらも胎児の頭のかたちに影響が出る可能性があります。Noの希望はできますがいざとなったら医師の指示に従うことでしょう。

★Is it ok to have episiotomy?
会陰切開をしてもよいか

こちらもNoの希望はできますがいざとなったら医師の指示に従うことでしょう。

★Photos / videos during labour or Not until after baby is born
写真やビデオがいつ必要か。分娩中か赤ちゃんが産まれてからか

ドゥーラによると出産中の膣の写真を希望する方も稀にいるらしいです。立ち合いドゥーラがいる場合は事前に〇〇な場面(陣痛に耐えている場面、など)を撮ってほしいと伝えておくと撮ってくれるかもしれません。

私は医師が夫に「カメラ準備!」と言って赤ちゃんを取り上げてくれたので、取り上げた直後の写真はありますが、ビデオがあったらよかったかも~とも思います。産声また聞きたい~(>_<)

まあでも無事赤ちゃんが産まれることが一番大事なので、いいんですけどね。

★Active or expectant management of 3rd stage
胎盤摘出時の処理の選択

Active management of 3rd stageとは、ドクターやナースが胎盤摘出を積極的に管理すること。分娩時の大量出血を防ぐ可能性があるといわれていてこっちの方が一般的だそうです。子宮収縮を促すためにオキシトシンの投与をしたり、臍帯を早めに切断したり、胎盤摘出に伴い子宮圧迫が行われます。一方、Expectant managementは積極的に行うのではなく自然に任せる方法です。(詳しくは病院スタッフにお聞きください。)

出産後の希望

★Delayed or immediate cord clamping
へその緒はすぐ切るか、少しして切るか

すぐではなく数分後に切ることで新生児がへその緒を通してヘモグロビンと鉄分を受け取ることができることがわかり、少しして切る病院が多いようです。

★Partner / mom cuts cord or hospital staff cuts cord
へその緒はパートナーかママが切るか、病院スタッフが切るか

ウチは夫が切りました。感想を聞いたらハサミが右利き用だったことを言ってました。いや、もっと切った感触とかを教えてくれ。笑

★Placenta discarded by hospital staff or take home
取り出した胎盤は病院で捨ててもらうか、持って帰るか

文化によっては食べるところもあるとかないとか。

★Do you want immediate skin to skin?
新生児が産まれてすぐの肌のふれあいを希望するか

この肌のふれあいは近年とても重要とされているそうです。

The baby is happier, the baby’s temperature is more stable and more normal, the baby’s heart and breathing rates are more stable and more normal, and the baby’s blood sugar is more elevated. Not only that, skin to skin contact immediately after birth allows the baby to be colonized by the same bacteria as the mother. 

CANADIAN breastfeeding FOUNDATION より引用

訳すと、

「赤ちゃんがよりハッピーで、体温、心拍と呼吸数もより安定して通常となる。さらに血糖値が高まるだけでなく、母と同じバクテリアを定着させることができる。」

つまり、赤ちゃんの状態を良くして、さらに健康的なバクテリアを纏うことができるということです。

★Baby weighed / measured after breastfeeding / skin to skin or before
新生児の身体測定は肌のふれあいや授乳の前か後か

先に述べた理由で、近年では肌のふれあいや授乳のあとに行われることが多いらしいです。

★Breastfeeding or formula
母乳か粉ミルクか

初乳には栄養がたくさん入っているということなので、粉ミルクのみを考えていてもできれば最初だけでも初乳が出るなら母乳を与えるといいかと思います。

★Immediate or delay standard meds for baby
新生児への薬の投与はすぐにするか、あとにするか

ビタミンK不足による大量の出血を防ぐために、産まれてすぐ新生児の太ももにビタミンKが投与されます。これはなぜあとにするかという選択肢があったのかは覚えていません(-_-;)

★Bath for baby within or after first 24 hours
新生児の体を出生後24時間以内に洗うかどうか

新生児の体に纏わりついている白いものが新生児を感染から守ってくれる役割を果たすので出生後すぐには洗わない方がいいとされています。

私たちはお風呂の入れ方を学ぶために出生後27時間くらいしてから病院で一度洗ってもらいました。

こちらもチェックしてみて

The bumpというこちらのサイトでは、バースプランのテンプレートを掲載しています。コピーしてワードにでも貼って印刷して、希望の欄にチェックマークをつけて提出できるので、提出する場合は役に立つかもしれません。

まとめ

というわけでバースプランについてまとめてみました。ご自身のご希望はなんとなくわかりましたでしょうか。

これ以外にも、「陣痛時部屋は明るい方がいいか暗い方がいいか」とか「分娩時、鏡で胎児がどれくらい出ているか見たいか」などを入れる人もいるみたいです。

でも理解しておかなければならないのが、バースプランを準備してもその通りにはならないこともあるということ。

実際私は陣痛誘発は希望していませんでしたが必要となり使用しましたし、どれくらい痛みがあるのかという興味本位で無痛分娩を希望しませんでしたが途中で変更しました。

「いざとなったら帝王切開でもよし」としていましたが実際に帝王切開をするという判断が下されたときはサインする手が震えたし、

結局最後は経腟分娩となったのですが、希望していなかった鉗子分娩にもなりかけました。

そんな、少しずつ色んなことを体験できた出産の話は、↓の記事から。

破水、陣痛促進剤、無痛分娩、帝王切開?予定通りにはいかなかった私の出産エピソード
そこには必ず「感動の瞬間」があるのに、割とそれは「超痛かった」とか「超大変だった」で済まされてしまうことが多いような気がする、出産話。私がカナダで経験した初産の、その「感動の瞬間」までの話をまとめました。

話がずれてしまいましたが、バースプランは実際に提出しなくても取り組むだけでも出産準備の一部となることがお判りいただけましたでしょうか。

この記事が誰かの役に立っていたら嬉しいです。

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