カナダで妊娠中、子どもの名前についてはずっとどうしようかと迷っていました。
そして色々と考えた結果、最終的に公式な名前(Given name)はシンプルに1つにしよう!と決めました。
その決断に至るまでの思いや理由を今回まとめたいと思います。
あくまでも私個人の意見であり、誰かに意見を押し付けたり、反論を受けるためのものではありません。
こういう考え方もあるのね、私もそう思う、私は違うな、と思いながら読んでくださいね。
ちなみに日本語らしい(漢字やひらがなの)名前がないという意味で、日本の出生届には英語をカタカナで表記したものを提出しています。
ハーフだから2つの名前が必要なのかと考える
名前って何だろう、という話になりますが、
例えば世の中の物には名前があって、そのほとんどの物が各言語で名前を持っています。
「りんご」は「アップル」だし、「ピングオ」だし。
「くま」は「ベア」だし、「ホン」だし。
私の名前も、もちろん発音の仕方は多少異なるものの、日本語も英語も同じ名前。
日本で生まれ育った純日本人だし、これでいいわけです。
でも子どもは、半分日本人、半分香港人。
半分ずつだから2つ名前をつけるの?
半分ずつだけど、1人の人間だよ?
しかも、うちの場合はカナダに住んでいるので、英語名もいるじゃん。
え、じゃあ名前3つ必要なの?
実ははじめのうちは3カ国語の名前でつけるつもりでした。
でもその場合全く別のものではなく、1つの名前をどうにか3カ国語で共有できるような名前がよかったんです。
例えば「カイト」という名前は漢字にもできるし、英語でKyteともできる。
ここで中国語でも「カイト」みたいな発音の名前で成り立てばよかったのですが、そう簡単にはいきません。
私がそこにこだわっていたのは、人の名前が、その人の個性を表すものだと思うから。
日本でずっと一つだけの名前で生きてきたからということもあってか、子どもにもできるだけ一つの名前の響きで名前をつけたかったんですよね。
「りんご」は「アップル」にも「ピングオ」にもなれますが、息子には「りーんご」でも「りんーご」でもいいからできるだけ「りんご」でいてほしいと思ったわけです。
まあ、全く違った名前を3つ持つことが「個性」に入るという考え方もありますけどね。
でも、そんな感じで考えていましたが、やはりなかなか3カ国語全てでしっくりくる一つの名前は見つかりませんでした。
イギリス出身の香港人と日本人ハーフでたくさんの名前を持つ知人の言葉
日本で出会った友人に、香港人の父と日本人の母を持つイギリス人男性がいました。
イギリスの田舎で生まれ育ち、ほぼ英語しか話さない方でしたが、英語2つ、そして中国語、日本語の名前を持っていました。
名前を2つ以上持つという感覚がわからなかった私は、名前について質問をしたことがありました。
「一番使っている名前以外の名前で呼ばれてピンとくるのか。」と。今考えるとかなり失礼な質問です。
彼は、「一応自分のことだとはわかるけど、英語名が一番ピンとくる。」と言っていました。
さらに名前が長いからか、アメリカ入国の際にいつも名前について質問される、と。
そしてここが重要だと思うんですが、続けて、
名前よりも、その国の言語を話せることの方が何百倍も大事だと思う。
と言っていました。
何年も前の話ですが、結構印象に残っています。
カナダ人以外に日本人としても中国人としても生きられるようになるのに必要なこととは
ここからは想像の世界でしかないんですけど、
ハーフの息子も、自分のアイデンティティについて考える日がきっとくると思うんですよね。
自分は100%日本人でなければ、100%中国人でもない。
カナダで生まれ育ったから、カナダ人、かな?
でもルーツは、日本と香港にあるわけで…。
ここで国籍うんぬんはちょっと置いて、
日本語名を持っているからと言ってパパっと日本人になれるというわけではありません。
同じく中国語名を持っているからと言ってパパっと中国人になれるというわけでもありません。
やはりそれぞれの言葉の理解と、それぞれの文化の理解が重要だと思うんです。
そうしてやっと、
「僕は日本人としても生きられるかもしれない。」
「中国人としても生きられるかもしれない。」
となるんじゃないかと思います。
私も英語はまだまだですが、カナダに住んでいると英語よりもその裏にある文化の理解に苦しむことがあります。
それは日々暮らしているからこそわかってくることであったり、、歴史とか、ユーモアセンスとか少し深い部分であったり。
言語の裏にある文化の理解というのは、
日本人の親だからと言ってカナダにいても自然に身に着くことはなく、
日本に実際に住まないとわからないこともたくさんあって、
そういう部分を日本に住まないでどれだけ教えられるか
というのは、言葉に次いで、いや、同じくらい大事なんじゃないかな、と思います。
だから日本語らしい名前を持っている/いないよりも、言葉や文化を全力を尽くして教えていくことの方が重要だと思っています。
ちなみに子どもの日本での苗字は…
もちろん、「いやいや名前も重要だよ。」という方もいます。
そういう考え方もありだと思います。
たとえば私は苗字については「息子が日本で生きていく場合は日本の名前が最良」という考えで、日本語名で出生届を提出しました。
結婚後も日本の苗字のままでいる私にくっつくことになるので、何もしなければ日本語の苗字になるわけなんですけどね。
実は苗字も「英語名をカタカナに」することも一瞬考えたんですが、
やっぱり日本で生きていく場合、日本の苗字ってかなり重要だと思ったんです。
苗字と名前が全てカタカナだったら、それこそ日本語ペラペラになれたとしても日本人のルーツを失ってしまうような気がしてしまいます。
賃貸契約でも、外国人には家は貸さないとかいう会社もあるみたいですし。
なので苗字だけは日本語です。
つまり、英語の書類では夫の苗字+英語の名前で、
日本の書類では、私の苗字+英語名をカタカナにした名前ということになります。
最後に
というわけで、私が息子の名前を1つにした理由を綴りました。
色々な考え方があって、どれも間違いではありませんよね。
そして1つの名前と言っても、
- ザ・英語名みたいな英語名にする(トーマスとか)
- ザ・日本語名みたいな名前を英語名とする(ケンシロウとか)
- 英語名でも日本語名でもいけそうな名前にする(ジョーとか)
と色々な名前の付け方がありますよね。
私が1つの名前をつける上で考慮したこと、については、また今度まとめたいと思います。
公開しました!↓↓
では、ここまで読んでいただきありがとうございました。
おまけ:中国語と英語の名前を持つ夫の話
ちなみに、
私の夫は中国語名と英語名を持っていますが、ミドルネームはなく、
「中国語名 英語名 苗字」と記載します。
アルバータ州では免許証の名前はパスポートと同じでなければいけませんが、
なんとオンタリオ州にいるときはそこが緩かったらしく、「英語名 中国名 苗字」と登録していたそう。
おかげでオンタリオ州での公的書類が「英語名 中国語名 苗字」で登録してあるために、
現在引っ越しの郵便書類の転送申請では、
- 中国語名 英語名 苗字
- 英語名 中国語名 苗字
- 英語名 苗字
と夫だけで3種類申請します。
そもそもすべての書類の名前はパスポートと同じであるべきだと思うのは私だけなのだろうか。
やはり、シンプルに一つが一番いい気がします。
この経験から夫も「息子の名前はシンプルに一つがいいかもね。」と言っていました。
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