ビジネスクラス。
それは、私には夢のような話であった。
仕事で過去に飛行機を利用したことはあったが、ビジネスクラスなんて利用できるような立場ではなかった。
以前一度、航空会社に勤めている夫のいとこに連れてもらってエドモントンからバンクーバーまで利用させていただいたが、まぁなんというか座り心地はとても良いものの、緊張した記憶しかなかった。笑 慣れてないからである。
そんないとこが、今回は2歳の息子と、猫も一緒にトロントまで連れて行ってくれると言うので、お言葉に甘えることにした。
いとこ本人が一緒に乗らないといけないため、わざわざカルガリーに飛んできてくれたわけで。さらに猫がいるのでチェックインするために出てきて再度セキュリティを通ることに。もう本当にありがたい。
というわけで今回はその時の様子を語りたいと思う。果たして2歳児とのビジネスクラスは良いものなのか。それともエコノミーの方が良いだろうか。そこらへんも思うところを書いていこうと思う。
飛行機に乗る日の一日
今回の飛行機は夕方から夜の便で、現地時間で夜中12時を回る頃に到着する便だった。
2歳の息子は午前中は学校に行き、午後は2時間半ほど昼寝をした。眠らせたくなかったが、荷造りにバタバタしてる間寝てもらって助かった。
だけど後ほどこのことを後悔することになる。
カルガリーの空港にて
コロナ前に比べたらまだまだなのかもしれないが、空港は割と賑わっていた。
いとこと久しぶりの再会。ビーバーのぬいぐるみを息子にくれた。カナダらしい。
チェックインカウンターでスーツケースを預け、ベビーカー用のステッカーをつけてもらう。今回も飛行機の搭乗口まで持って行くからだ。
保安検査場では、ビジネスクラスというのもあるし、小さい子どもがいるファミリーというのもあって優先の方へ通された。
前回飛行機に乗ったとき、パウチ型のベビーフードと水は持ち込めたのでそのつもりでいると、
「子どもは2歳以下ですか?」と聞かれた。馬鹿正直なので「2歳2か月です。」と言うと「じゃあ持ち込めないです。」と言われた。
ガビーン(”_”)
知らんかった。パウチ型のベビーフードと水は、2歳までしか持ち込めないらしい。
パウチはその場で素早く飲ませ、残りは近くのゴミ箱に捨ててもらった。お水は夫がサッと飲んだ。なかなかいい感じのスタッフでよかった。
子どもの上着もトレイに入れ、ベビーカーを確認してもらう間に私と息子が通る。走り回られると困るので、抱っこして通った。
その後がいつもバタバタする。夫は猫担当で猫も一度ケージから出ないといけないので、なかなか大変なのである。
今回は息子が抵抗せずにベビーカーに乗ってくれたこと、そしていとこもいたのでかなり助かった。
もし下にもう1人子どもがいたらどうなるのやら。いないから考えるのはやめるけど。
**
そしてその後ラウンジへ。
ラウンジは過去に旅行しまくっていた時にも利用していたけれども、子どもと一緒だと話が違う。おとなしくしてくれる時はいいけれど、走り回ると逆に周りに気をつかうのでゆっくりとはできない。この日息子は椅子に座って割と静かにしてくれていたので助かった。
私はスープを、夫たちも食べ物を注文していた。私たちが食べ始めると息子も食べたがったので持参した食事を食べさせた。
ゲートに行く前におむつを替えた。ラウンジにはファミリートイレなんてない。トイレ内でいとこの手を借りて替えた。(パンツタイプなので2人でやったらラクだった)。
ビジネスクラスの特典と言えば優先搭乗。いや、小さい子がいる場合も優先搭乗となるが、これは子どもの様子を見る必要がある。
早く搭乗してもじっとしてくれなければ後悔することになるからだ。
今回は少し広い席なので・・・というか前回の教訓をすっかり忘れて早めに搭乗してしまった。
私たちは最前列2席。2列目窓側(息子の後ろ)が夫でさらにその後ろがいとこという配置になった。
飛行機の乗客席では一番前の席である。そんな席に2歳で乗っちゃうわけか。
そんなわけで、始まった4時間。。。
飛行機内にて
最前列というのは良し悪しがある。足元のスペースに余裕があるという一方で、手持ちの荷物を前の座席の下に置くことができない。
何でも手元に置いておきたい私にとってこれは結構大きな問題。特に子どもと一緒だと、おもちゃや食べ物、ティッシュなどなど手に届くところに置いておきたいものだ。
大きめの手提げは用意したが、斜め後ろの席の夫に託し、必要な分をその都度渡してもらうようにしたが、手元用に細々したものをまとめる小さな手提げ袋でも別に持って行くべきだった。
息子を大きな座席に一人で座らせるが、自分が2人座れるような広い座席はなかなか落ち着くものではないようだ。
背が低いので窓の外も見えない。
この日のために購入して隠しておいた落書きボードを渡して機嫌を取ったが、早く搭乗したためやっと出発という時点で既に私は疲れていた。
フライトアテンダントのお姉さんが何か試そうと毛布を持ってきてくれるも、”No”の連発。
月齢が若いうちから女性の好みがあるようで、それは特に飲食店に行ったときにわかりやすいのだが、興味のある女性には目をキラキラさせて話しかけるのに、そうじゃないと態度が悪いか見向きもしない。今回は残念ながら好みのタイプではなかったのかもしれない。
なんか、ごめんなさい。笑
最近は食欲があまりなくたくさん食べないのに、このときはお腹が空いていたようではっきりと「食べたい」と言った。
いとこがキッズ用の食事をお願いしてくれていたのでこの時点ではあまり食べさせたくなかったが、とりあえずあげやすい小さいクラッカーが入っている袋をあげた。
ムシャムシャとクラッカーを頬張りながら離陸を迎えると、普段聞かないゴォーという音を聞いて「なんだろう?」という感じで目を大きくさせながらも、手は止めずにムシャムシャしていた。
クラッカーを平らげると、「まだ食べたい。」と言ってきた。本当に今日はなんでこんなに食欲があるのか。いつもと違うからなのか。
持参した食べものはまだあったが、機内食を食べてみてほしかったので「もう少し待ったらご飯が出てくるよぉ〜!」と私ができる最大限のハイテンションで言い聞かせた。
食事は別々のタイミングか同時に食べるか聞かれ、一緒に食べることにした。
そしてついに食事が出てきた。飲食店でテーブルに食事が出されるといつも「わぁー!」と大声で叫ぶ息子。この日も同じだった。
アタフタする私は写真なんて撮る余裕もなかったが、息子の後ろの席の夫が立ち上がって写真を撮った。
興奮して一口めで食べたのが野菜スティック。生の人参は食べたことがなかったので吐き出してしまった。
それで食欲が失せたのか、大好きなポテトや魚のフライもあるのに全く食べずに終わった。もったいないよぉ(T_T)
その後、「パパに会いたい」の連発。外食時は大体パパが隣に座るので、私が隣にいることに違和感を感じたのかもしれない。でもまだ食器があるし簡単には身動きができない。
その後私もほとんど手をつけていない状態でフライトアテンダントさんが食器回収を始めたのだけれども、気を遣ってくれたのか一番前の席の私たちのところは最後に来てくれた。これが実はとても良かった。
最初に通り過ぎた頃から息子にスマホ内の動画を見せ始めると静かになってくれたので、そこから回収に来てくれるまでに私はほぼ完食することができたのだ。
その後は少し記憶がない。笑 動画見せたり、スクリーンのアニメ見せたり、お話ししたり、なんとか頑張っていたものの、自分でシートベルトの外し方に気づき、席から滑り降りようとするようになった。
ここでついに私が抱っこして窓側の息子の席に座ることにした。外を見ることができて少し落ち着いた。そしてついにずっと「大丈夫?代わろうか?」と言ってくれていた夫が隣にやってきた。
ここまでで2時間。つまり半分の時間が過ぎていた。
私がとりあえず息子を抱いて、夫に隣に来てもらう。なぜ私たちはもっと早くこうしなかったのだろう。食事の際もパパに隣にいてもらえばよかった。息子と私はテーブルを出しても一緒に一席に座れる余裕があるので、まず息子の分、次に私の分(またはその逆)と出してもらえばよかった。(ただしそれが可能なのかは不明)
最前席の特権である余裕のあるスペースをしばらくウロウロして、息子はパパに抱かれながら眠った。
その後、着陸前に子どもは一人で席に座るよう言われるまで、パパに抱かれて眠っていた。そして席に戻したあとも、飛行機から降りる後まで眠り続けてくれたのである。これは助かった。
トロントの空港に到着してからはすんなりベビーカーに乗ってくれた。そういえば、搭乗口まで持って行ったベビーカーはすぐには出してもらえないので、早く降りても少し待つことになる。
子どもとの旅行の場合チェックイン荷物もあるはずなので、ビジネスクラスで皆素早く降りて行くけれども、その流れに沿って急いで降りる必要はないと思った。
余談: ほとんど寝ていた帰り道
行きだけの話をすると最悪な印象しか受けないかもしれないが、帰りは全てにおいて行きとは逆だった。
トロントの空港のラウンジは人でいっぱい。そんな中落ち着きなく走り回り、叫び、すごく視線を浴びたのを覚えている。
パンナコッタを一箱平らげた時は静かにしていたが、ラウンジで一息なんて夢のまた夢のようだった。行きのカルガリー空港のラウンジでは割と大人しくしていたので対照的だった。
飛行機内でも行きとは対照的だった。ほとんど眠ってくれていたのである。
行きの教訓で手軽に頬張れるお菓子をたくさん準備し、搭乗もギリギリにした。帰りは夕方の便だったが、一日できるだけ疲れさせて、昼寝をさせなかった。
急に雪が降り始め、De-icing(除雪作業)をしないといけなくなり、搭乗してから離陸までは長かったが、その間スマホの動画を見ながらOomomo(日本の100円ショップ商品を取り扱うお店)で購入したアンパンマンのパッケージのお菓子を頬張っていた。
「もっと」と言われたが手元にはその一袋しかなく、別のお菓子を渡すも拒否。そうこうしながら離陸直前に突然眠りにつき、それからなんと着陸1時間前までずっと眠っていた。
帰りの便ではキッズミールもお目にかかることなく終わった。
起きてからは動き回りたそうにしていたので夫を呼んで隣にいてもらった。
外を眺めたりスクリーンを見たりしながら過ごし、そろそろ席に着かせるとなると嫌がったが、ちょうどその時座席に押しつけられるような感覚に。
それが2歳児にとっても不思議な感覚だったのか、泣き叫ぶのをやめてピタッと静かになった。
というわけで帰りは余裕があったので、悠々と食事を楽しんだ。この食事が最高に美味しかった。
写真を撮る余裕もあったわけである。
この便では座席も4列目で座席下の手荷物に簡単に手が届くし、夫は斜め前の通路側。何かあったらすぐ来れる環境で、行きとは違い気分的にも余裕があった。
でも一番大事なのはクラスに関わらず、子どもとの飛行機というのは搭乗時だけでなく、座席の位置やその日の過ごし方など計画性がとても大事ということである。
最後に -2歳児とのビジネスクラスは正直どう?
正直…
2歳児には早い!
…というのが正直な感想。笑
理由は、
まずは2歳児になりたての子どもにとってビジネスクラスの座席は広すぎる印象を受けたから。
そしてキッズ用の食事も少し大きい子向けだと。
また、パパママと一緒に旅するならパパママが両側にいる方が安心するようで、前回エコノミーの3列シートを利用したが、あっちの方が良かったなと正直思った。
特に「長距離ならプレミアムエコノミーがいいと思う。」(と、自称飛行機オタクの夫が言っている。)
ただ、もちろん子どもが飛行時間のほとんどを眠って過ごしてくれるなら最高である。そのためにフライトの時間はお昼寝時間かそれより少し後にし、その日は思いっきり疲れさせないといけない。
でも疲れさせすぎると泣きまくるのでこれも難しい。そこまでやったところであとは運任せ。でも結局寝かせちゃうならエコノミークラスでもいいような気もする。
そういうわけで2歳児には早いという結論に辿り着くのである。
でも今回、家族(2歳児+大人2人+猫1匹)でビジネスクラスに乗るという、とても貴重な経験ができた。大変なこともあったけどバタバタしながらも楽しかった。
わざわざカルガリーに来てくれて、帰りもカルガリー経由でバンクーバーの自宅に戻ってくれた夫のいとこには本当に感謝している。(次の日の夜の便で仕事のためにトロントに戻ると言っていた。(^_^;))
話がずれたが、そういうわけなので、せっかくビジネスクラスを利用するなら、子どもがもう少し大きくなってからの方がいいかな、という感じで締めようと思う。(または2歳未満で席を取らなくていい時期もいいかもしれない)
ではでは。
1歳のときにレッドアイフライトに乗った話もよければどうぞ↓
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