結婚後の手続き
私は2016年、カナダのアルバータ州で結婚しました。外国で結婚した場合、領事館または本籍地に結婚報告をしないといけません。それに必要な書類のひとつが、Marriage Certificate。その取得方法と、本籍地に提出する場合を今回詳しく触れていきます。
注意:
この記事は、ひとつの例としてお読みください。最新情報は、Service Albertaでご確認ください。
※カナダ・アルバータ州での結婚までの流れについては、
国際結婚・移民に向けて。~海外で民事婚、結婚までの流れ。カナダ・アルバータ州の場合 ~
に書いています。
この記事の目次:
結婚後の手続き
Marriage Certificateの取得
・Marriage Certificateの取得方法
日本への結婚報告
私の場合
Marriage Certificateの取得
■アルバータ州でのMarriage Certificate(婚姻証明書)の取得方法
※Marriage Certificate & Documentsセクションに一通り書かれています。
結婚後、婚姻証明書の取得をしました。注意点として、結婚後すぐに取得申請することはできません。「登録に2週間ほどかかるので、2週間してから取得申請しに行ってね。」とMarriage Officiant(結婚司祭者)に言われていましたので、2週間経ってから申請しに行きました。
種類がいくつかありますが、
- marriage certificate – small
- marriage certificate – large
- photocopy of a Registration of Marriage
- marriage record search
私は上記の太文字のものを2通申請しました。
アルバータ州内からの手続き
1.申請書をダウンロード
最初に提示したリンク先にある書類Application for marriage documents(婚姻書類申請書)を印刷し、必要事項を記入する。
2.近くのレジストリーエージェントを検索
同ウェブページ内のFind a registry agentから近くのオフィスを検索
3.オフィスで申請書を提出
身分証明書(私の場合はパスポート)を持参。
手数料として一通につき41ドルを支払う(2016年7月現在)
インターネット上に書いてあるのとは少し手続きが違いました。自宅に郵送されるのではなく、エージェントオフィスに届くので私が赴き、受け取りノートのようなものにサインして受け取り。もしかしたら一週間以上かかるかも、ということで、もし一週間しても電話が来なかったらオフィスに連絡をしてと言われ、処理番号と連絡先が載った紙を受け取りました。確認はしていませんが、もしかしたらカナダポストのストライキがあるかもという時期だったからかもしれません。
私は次の週の金曜日にはカナダを離れる、という状況だったので、間に合わなかった場合夫であるライム君が代わりに取りに来られるか確認。「代わりの人が取りに来ることも可能よ。」と言われたので、「夫に来るように言います。」と言ったら、申請書の裏に手書きで「私の代わりに夫に取得を依頼します。」という文章を書き、「じゃあその時のためにコレにサインして。」と。私の電話番号にはつながらない可能性があるので、彼の電話番号も念のために教えました。
月曜日に申請に行きましたが、結局その週の金曜日に電話があり、私が受け取りに行くことができました。間に合ってよかったです。
日本への結婚報告
海外で結婚した場合、証明書発行日から3か月以内に日本への結婚報告を完了しなければいけません。届け先は二つから選べます。
領事館か、本籍地か
・最寄りの領事館に提出する場合
エドモントンの場合、最寄りはカルガリー領事館ですので、領事館ウェブサイトを見てみました。
1.州政府発行の婚姻証明書 原本1通及び写し1通
2.上記婚姻証明書の和訳文2通
3.日本人の戸籍謄(抄)本 2通(3か月以内に発行されたもの)
4.配偶者の国籍を証明する書類1通及びコピー2通
5.上記国籍証明書の和訳文
詳細は領事館ウェブサイトに記載されています。不明な点があれば、領事館にお問い合わせください。
・本籍地に提出する場合
私は日本へ帰国したので、本籍地に提出をしました。結婚前に本籍地の市民課に問い合わせすることをおすすめします。最初に問い合わせたときに必要と言われたのは下記の3点。ですが、私の場合はもう1点必要でした。それはまた後ほど書きます。
1.婚姻届書(証人欄・外国人配偶者の署名押印は不要)1通
2.外国の方式に従って作成された婚姻証明書とその訳文 各1通
3.外国人配偶者の国籍証明書とその訳文 各1通
婚姻証明書は原本を提出。返してもらえません。
国籍証明書原本を窓口に持参。
訳文については、訳の余白に翻訳日、翻訳者の住所、翻訳者氏名、押印が必要です。
この国籍証明書ですが、パスポートも可、と書いてありましたが、本人が一緒に日本に行かないので、カナダのCitizenship Cardを翻訳したものと原本を持参しました。
私の場合
問題発生
そして、市役所に行きましたが、Citizenship Cardでは受け入れられないかもしれない、ということで、戸籍係の方たちが皆揃って迷っていました。法務局に問い合わせる、ということで、2時間ほどかかりました。(待ち時間の間に転入、住民票取得、年金、国民保険の手続きも済ませました。)
結果、パスポートが国籍を証明する一番強い書類ということで、受け入れられませんでした。特に、ライム君の出身が香港で、結婚証明書のPlace of Birthには中国との記載があり、そこが「カナダ」ではないということで、それも混乱を招く原因だったようです。
私への解決策は?
実は日本各地のどこでも手続き可能
本籍地または領事館に提出、とありますが、実は、戸籍謄本があれば、日本国内の本籍地以外に届け出るのも可能ということだそうです。
ライム君が日本を訪れる予定はある(パスポートがやってくる)ので、その時にわざわざ田舎まで足を運べないのであれば、本籍地以外(私の場合は、大阪)で手続きをすることも可能ということでした。私にはこの選択肢しかないと思ったので、半ば諦めながらも納得して帰宅しました。
一度は納得したけれど
CICのウェブサイトを翻訳して送信
その時は納得したんですが、やはりおかしいな、と。結婚報告後、3か月以内に最寄りの領事館または本籍地へ提出とあっても、本籍地に提出する場合、リスクが高い「郵送」をしない限り、夫も一緒に日本に来ないといけないということになります。また、CIC(Citizenship and Immigration Canada)のウェブサイトでは、
Documents accepted as proof of citizenship
国民として証明できる書類
If you are a Canadian citizen who was born outside Canada, you might want to apply for a citizenship certificate.
もしあなたがカナダ国外で生まれたカナダ国民の場合、
If you were born in Canada, you may also apply for a citizenship certificate. However, a Canadian provincial or territorial birth certificate should be enough to prove Canadian citizenship.
あなたがカナダで生まれた場合でも、
と記載がありますので、このCitizenship Cardは、カナダ生まれのカナダ人が持つ出生証明書と同じ価値を持っているものと考えられます。
この旨をメールしました。
同時に、できたら本籍地での処理をお願いしたい、ということも記載しました。下記の理由で、そのあとに数か月滞在する大阪ではしたくない、という思いがあったからです。
1. 大阪の区役所を信用していない。
海外渡航前に大阪で本籍地を変更して行ったのですがされていませんでした。海外転出に関しても、海外転出届を提出すれば年金も保険も自動的に止まると嘘を言われました。そのため後ほど家族に迷惑をかけることになりました。信用してないです。
2.戸籍届出期間経過通知書という書類を書かないといけなくなる。
もしライム君の日本訪問を待って大阪で行ったとしても結婚証明書発行から3か月を過ぎてしまうため、戸籍届出期間経過通知書という家庭裁判所に通す書類を書かないといけなくなります。それを考えて結婚式をギリギリにしたのに。できたら書きたくない。
メールの返信が来た
田舎の市役所。例があまりないことだろうし、きっと色々と問い合わせをしてくれたと思います。数日後に丁寧な返事をいただきました。そこでは、
Citizenship CardでもOKということ。ただし、結婚証明書のライム君の出生地がChinaになっているので、今度は多重国籍ではないかということを疑われました。それを証明するために、「多重国籍ではなく、カナダ国籍しか持っていない。」という、ライム君直筆の申述書+訳が必要と言われました。
でもまたここで問題発生。。。ライム君は二重国籍を持っています。
ここで、じゃあイギリスの国籍を証明するものはないか、と聞かれました。
イギリスのパスポートは期限が切れ。ライム君の母親に聞いたところ、Certificate of registration as a British Citizenが見つかったので、それをとりあえずPDFで送ってもらいました。ライム君母の話では、原本は政府保管、コピーしかもらえていないということでした。
戸籍係の方には、二重国籍所有者との結婚手続きは過去にしたことがない、ということで、法務局やらなにやらに問い合わせをしないといけない、と言われました。数週間時間をください、と言われました。
一か月後…
結局、一か月ほど経った後に連絡をいただきました。
当初の下記の分
1.婚姻届書(証人欄・外国人配偶者の署名押印は不要)1通
2.外国の方式に従って作成された婚姻証明書とその訳文 各1通
3.外国人配偶者の国籍証明書とその訳文 各1通
そして、
4.イギリス国籍証明書と、その訳文 各1通
コピーしかないと伝えましたが、そのコピー原本が必要ということで、わざわざカナダから送ってもらいました。ものすごく不安です。
9月下旬に市役所へ
予定よりかなり遅くなってしまいましたが、結婚証明書発行からまだ3か月以内にあたる、9月下旬に地元に一時帰郷しました。そして、上記の1番から4番の書類を提出。無事、手続きが終わりました。
新戸籍謄本が1週間ほどででき、それを専門家に翻訳してもらいます。移民申請に必要なBirth Certificateとなります。
まとめ
カナダで結婚した場合、結婚報告は、最寄りの領事館で提出する人がほとんどだと思います。ただ、本籍地で行ったという自分の経験がどこかの誰かの役に立つだろうと思いながらまとめてみました。それでも結局は人それぞれで、参考程度にしかなりません。自分で経験をするしかないわけです。少し面倒くさいかもしれませんが、それくらいの方がやりがいがあるものです。外国で暮らすというわけで、こんなのはまだまだ序の口。ひとつひとつ乗り越えていきたいと思います。
コメント