Lethbridgeという街をご存知でしょうか。
カルガリーに住んだことがある方なら天気予報で出ているのを見たことがあるかもしれません。
マニアックな言い方で言えば、カナダで強風が吹く街のランキング上位に入る街。
そしてアルバータ州では5番目に人口が多い市です。
歴史的に日本人も割と多く、観光スポットの1つに日本庭園があるので、7ヶ月の息子に見せようと9月下旬に行ってきました(いえ、本当はただ単に行ったことがない場所に行きたかっただけ)。
今回はNikka Yuko日本庭園を中心にLethbridgeという街についてまとめます。
Lethbridgeの場所
まずはLethbridgeの場所について。
カルガリーから車でほぼ南の方に2時間15分ほどのところにあります。-ボタンを押して広域で見ると位置がわかりやすいです。
アルバータ州内南側に位置しています。
Lethbridgeの気候
Lethbridgeの気候について、Lethbridgeの公式ページから抜粋すると、
Chinookの風により夏は暖かく冬は寒すぎない穏やかな大陸の気候。Lethbridgeとアルバータの南西はカナダでも太陽光をよく受ける場所で晴天の日が一年に320日以上あり、西からの安定した風が新鮮な空気と晴天を保つ。カナダで一番風が強い場所とよく言われるが、Environment Canadaによるとカナダで8番目に風が強い市である。Chinookの風により気温が急激に変わることもある。
City of Lethbridge参照
オールドマン川とCoulee(フランス語でCouler・流れるという意味)と呼ばれる谷の交わる場所。
と書かれている通り、とーっても風が強い場所。一泊して感じたのは、太陽が出ているかいないかで寒さが決まるというところ。太陽が出ていないと同じ気温でも風まで冷たくなり寒く感じました。
Lethbridgeで絶対に見ておきたい橋
写真じゃ伝わりにくいですが、このCouleeと呼ばれる谷の眺めがスバラシく、さらにこの谷にかかるハイレベルブリッジは必見!高さは95.7mもあります!
この橋のベストスポットには行かなかったのですが、遠くから眺めても存在感がすごい。
強風の中、列車がゆっくりと通るところも見ることができました。
Lethbridgeと日本人
このLethbridgeという街。日本に起源を持つ人々が多い場所なんです。
2016年の国勢調査の民族起源人口(25%サンプル)データで、割とどこででも見かける中国人と比較してみると、
アルバータ州全体では日本人が16,595人、中国人が188,280人なのに対し、Lethbridgeには日本人が1,445人、中国人が1,400人なので中国人を上回る数の人々が日本に起源を持っているということになります。
さて、それはなぜでしょう。
一つ目の理由は、20世紀初頭に日本人が鉄道・炭鉱・農業などの職業を求めて南アルバータにやってきたから、です。
そして特にRaymondと呼ばれる街に日本人移民者が集まり、テンサイ業のパイオニアとなっていきます。
でも理由はそれだけではなく、戦争中にカナダが日本人に対して行ったことも関係しています。
第二次世界大戦中、日本人移民者への差別は連邦レベルまで達し、太平洋側に住む日本人約22,000人がBC州のキャンプに集められました。彼らは全てを失い貧困生活を余儀なくされます。
この時、約2,250人の日本人がカルガリー、そしてRaymondやLethbridgeに連れてこられます。1949年に日系カナダ人は人権を取り戻すことになりますが、最終的にたった9人しか日本へ帰国しなかったため、南アルバータはその後も日系カナダ人の居場所となり続けます。
参考:日加友好日本庭園の資料
日加友好日本庭園
そんな古くから日本人が多くいる街に、1967年に美しい日本庭園が造られました。
英語でNikka Yukoと書くので誰かの名前かと思っていたのですが、漢字で書くと人名でないことが一目でわかりますね。
実際に行ってきたので写真と共に紹介します。
実際に行ってみました
まず、門外にあるビジターセンターでチケットを購入し、門の中にいるスタッフにレシートを見せます。
正直言うとあまり期待はしていませんでしたが(結局ここ日本じゃないし、という意味で。)
少し歩いて目の前が開けると、美しい景色が広がります。
予想を遥かに超えていました。
川の流れる音も再現されています。懐かしい。
個人的に、訪れる季節が特によかったと思います。紅葉がまた美しい。
鐘もあって本格的。自由に鳴らせます。
湖に映る紅葉と雲と空。まるで鏡のよう。
庭園の中にはPrairie Gardenと呼ばれる芝生の少し広めのスペースがあり、ここはカナダのPrairieを表現しているそう。伝統的な日本の庭にこのスペースはありませんが、ここはカナダと日本のスタイルが共にあってできたことを象徴しているそうです。
まさに「日加友好」という名前の通り。
Tea Pavilionの中は靴を脱いで入ります。
石庭や茶室、飾り物がありました。広くはない割にスタッフがたくさんいて、あまり落ち着かない感じだったのが残念。
受付でお子様用に、といただいた袋。何が入ってるのかなーと思ったら庭園の説明を兼ねたぬりえセットが入っていました。
公式ウェブサイト:Nikka Yuko Japanese Garden
まとめ
というわけでLethbridgeという街と日加友好日本庭園についての紹介でした。
やっぱりこういうメジャーではない場所を訪れるのは面白い。特にLethbridgeの谷の眺めは、写真では伝わりにくいのですが本当に絶景です。そこにかかるハイレベルブリッジ!そしてそこを通る列車!!
行ってよかった~!!
もし機会があったら訪れてみてください。(コロナが落ち着いた頃に。)
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