10月最終週にいきなり決行したプチ旅行の初日、KingstonにあるCanada’s Penitentiary Museumに行きました。刑務所博物館です。
旅の途中の寄り道のような感覚だったので、カメラを持っていかず写真は撮らなかったのですが、行って良かったと心から思ったので文章だけですが書くことにしました。
近くに大学もある、Lake Ontarioを見渡せる景色がよい場所に、今でも残っている刑務所。1835年にこの地域に建てられ、2003年に閉鎖。カナダで一番有名な刑務所だったそうです。
その、すぐ近くにある豪華な一軒家のような建物が、刑務所博物館。
写真がないので、Googleで画像検索してみました。⇒コチラ
実際に刑務所内で使われていたものが色々と・・・
その中でも一番面白いと思ったのが、脱獄用に試行錯誤して作られた物の数々。
鍵を開けるために、針金などを利用して作られたツール。一番驚いたのは、給食用のお盆をたくさん積み重ねて、その反対側をくりぬいて中に入れるようにし、そこに入って脱獄したという話。実際に使われたものが置いてあったけど、すごい発想力だなあと逆に感心しました。
脱獄できたものの、また捕まったらしいですが。
他にも、どうやって武器を隠したかが書いてあります。歯ブラシの反対側がナイフになっていたり、本の中を切り取って、そこにナイフを隠したり、靴の裏に隠したり。実物を見ることができるので面白かったです。
昔々の独房と近代の独房が並べて展示されていたのですが、近代の独房は、机もあるしテレビもあるし、とても快適そうでした。
ここまでは、まあまあだなあと思っていました。出る前に管理のおじさん(ジョン)に今その刑務所は何に使われているのかと質問するまで。。。
この質問が引き金となり、ジョンの話が止まらなくなりました。
だけどこのジョンの話が、この博物館の中で一番よかったです。
以前、刑務所の中で働いていたということで。刑務所内の裏話が満載。
ひどいことをやって刑務所に入れば、刑務所内で有名になる。しかも若いうちからずっと刑務所生活だと、その人はもう神のような存在となって、その人を倒すことで、自分の強さを周りに見せつけることができるらしい。実際それで事件が起きたこともあるという。
他、刑務所内での口約束は絶対で、本を借りたときに「木曜までに返す」と言ったら、絶対に返さないといけないらしい。「まだ読み終えてないから、もう少し借りていい?」と言ったら、腕を折られたりすることも。。。
刑務所内は別世界。別のルールで世界が出来上がっているんだと言っていました。
そして刑務所内で命令に従って生活する日々を過ごしていると、期間が終わって外に出たときに、自分で考えて行動するということができなくなって、結局また事件を起こして、刑務所に帰ってくる人も少なくはないらしい。
なので最近では、刑務所内にいるときに、動物の世話をさせるプログラムがあるところもあるという。
そして動物の世話を経験した人々は、外に出ても外の生活に順応して、事件なども起こさず、刑務所に二度と戻ってくることはないという。
それは、動物の世話をすることで、必要なことを自分で考えて行動する力を身につけると同時に、動物を通して命の大切さを知るんだとのことです。
今はその刑務所は使われていないらしく、今後それをどうしていくかも、全くわからないとのこと。特に、政権が代わって、本当に先が見えないらしいです。
受刑者たち用のファーム(動物の世話をする場所)になるかもしれないし、もしかしたら、中を見学できるようになるかもしれないし、もしかしたら、全然違うものが建てられるかもしれない。
私の個人の意見としては、博物館自体を中に移動させて、人々が見学できるようにしたらいいと思います。
ちょうどハロウィンが近かったので、ハロウィン会場にしたら、めちゃくちゃ怖いだろうなあなんて思いもふとよぎりましたが。
この博物館を出たとき、なぜかとてもいい気分でした。この博物館に行って本当によかったという気分。ジョンと話せて、本当によかったです。
もし行く機会があれば、ジョンとお話しするのをお忘れなく。
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